二時間だけのバカンスを個人的に解釈「ママと子どものランデブー」

「二時間だけのバカンス」という曲をご存じですか?

宇多田ヒカルさんが作った曲で椎名林檎さんが参加しています。

この曲の歌詞は、

いつも送っている優しい日常を幸せに思いつつも、

綺麗なドレスを着てハイヒールを履く「主役」であったかつての自分のように

何も顧みずただ純粋に楽しさを享受するため、

日常をほんの少しだけ(二時間だけ)逃避行するというような歌詞です。

歌詞には男性と女性が登場し、不倫の歌に聞こえるように、ミスリードされています。

日常にはないスリルを求める「私」、

家族の為に日常を生きる「私」をエスケープに連れ出す「僕」。

この曲に関しては、宇多田さん自身が、

(学生時代から彼女の曲を聴き続けていて当たり前のように「宇多田」呼ばわりしていたので

なんか改まって「宇多田さん」と呼んでいるとなんかむしろ上から目線で書いているような

気がする不思議な現象が起きています)

子どもが生まれてから「非日常」のスリルへのあこがれが理解できるようになった

語っています。

これをそのまま不倫への憧れととらえるのも有りでしょうけれど、

私はそれをミスリードだと考えます。

宇多田さん自身にとってはそもそもそれまで日常というのがなかったんですよね。

私のようなごく平凡な人間のような「日常」はそれまで経験したことがなかったでしょう。

海外暮らしも長く、10代の頃から芸能界で働いています。

仕事に忙殺されたり、大人に酷い扱いを受けたり、

好きな人(母親とか)と一緒に過ごすことを制限されたりしたかも・・・(全て妄想です)

しかし彼女は出産して初めて「日常」を得たんですね。

自分の健康を考えたり、子どもと一緒に寝たりそういう日常です。

彼女はそういう日常を「優しい」「愛している」と歌っています。

それでも息抜きしたいとふと思ったんですね。

もしかしたらこれは「恋愛」かもしれませんし「仕事」かもしれません。

はたまた「友達との時間」かも。

宇多田ヒカルさんと椎名林檎さんという実際の友達同士であり、

同じママでもある二人が歌っているということで、

この曲は「ママ友同士の日常からの逃避行」ととらえている方が多いようです。

MVの二人から与えられる印象も強いです。

それもすごく素敵です。

忙しい日常を少し忘れて大切な女友達と逃避行。

映画みたい。

しかし私は「ママと子ども」の逃避行への憧れに聴こえて

涙が止まらなくなりました。

仕事や家事、育児に追われるママに

ママに甘えたい子どもが「ママと一緒にいたい」と言ったのかも

こんな風に受け取ることもできそうじゃないですか?

そう考えると、

「二時間だけ」なのも

「渚の手前までしか行けない」のも

「授業サボる」のも

「二人きりで公園歩く」のも

全部説明がつくような気がします。

大人の男女なら「渚の手前」ではなく「渚」に行けばいいような気がします。

ドレスアップしたママが仕事を休んで、

保育園や幼稚園、または学校を休んだ子どもと一緒に内緒のランデブー。

そんな風に聴くのも有りかなと思うわけです。

宇多田さんはこの曲をリリースする約4年前にお母さんを亡くされていることから、

子ども時代のママとの幸せな思い出

または

子ども時代にママとこうしてデートしたかった(これが彼女にとっての非日常)

または

大切な我が子に笑顔の母親の記憶を残したい

そういう気持ちが込められていたりするのかも・・・と、そう考えてしまうわけです。

宇多田さんのお母さんの藤圭子さんは、

宇多田さんを育てるために、地方巡業などをしていたそうで、

そのたびに宇多田さんはとても寂しがったそうです。

きっと幼い宇多田さんは大好きなママとデートがしたかったのはないでしょうか。

そう考えると、ママ友とのデートに見えていたMVが、

楽しそうに秘密のデートをする母娘に見えますし、

娘(宇多田さん)が大好きなママ(椎名林檎さん)に甘えて、

そしてママが娘を甘やかしているように見えてきます。

大好きなママと、一緒に公園で楽しく遊びたかった、

無邪気に笑うママの笑顔をみたかった、

そんな宇多田さんの願いが伝わってくるような気がします。

もちろん日々育児を頑張っているママが、育児から少し離れてランデブーという解釈が

胸に響く方が多いかと思いますし、

そういう意味で宇多田さんが歌詞を書いたと考えたほうが自然です。

せっかく「ママだって逃避行してもいいんだよ」っていう優しい曲なのに、

それを覆す解釈ってどうなの・・・とも思います。

しかし、私にはこのイメージで聴かせてください。

「楽しみは少しずつ」この歌詞が好きです。

またデートしようと思っているんですよね。

ママと一緒にいたいという子どもの為に、

ママが気軽に仕事を休めるような社会になってほしいな、という願いを込めて。

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